top of page

規模の経済、範囲の経済。将来の事業を考える上での重要なポイント


規模の経済、範囲の経済
規模の経済、範囲の経済

●規模の経済、範囲の経済

規模の経済、範囲の経済と言う言葉をご存じでしょうか?

経済学の言葉ですが・・・意味は大体、読んだ通りです。規模=大きさ(数)を求める事です。規模の経済は、一つの商品、または1種の商品群を扱えば、メーカーの場合だと製造効率が上がり、コストが下がる!販売効率や、在庫管理も効率が上がり利益を得やすい!規模(数)を追いかける事でメリットがある!

一方の範囲の経済は、販売する商品・業態範囲を拡げ、売上・収益を上げていく!範囲を拡げて稼ぐ訳です。

事業成長の為の考え方の1つです。


事業戦略の視点から見れば、どちらが正しいかは答えは在りません。概ね、多くの事業体は双方の要素のバランスを取りながら経営をされています。 だからこそ、双方の要素を知って頂き、今後の事業戦略を考える上では重要です。

その要素を少し記載します。


製造業でも仕入れて販売でも、ある製品1種類が、毎日沢山売れる!が、一番儲かる要素です。(ちゃんと利益を取って売れば!ですが・・・)作るのも効率が良い!売るのも効率がいい!

・・・当方が、いつも「うらやましいなあ!いいなあ!」と思う商品は、『伊勢の赤福』です。ご存じでしょうが赤福は、お餅に、こし餡を絡めたお菓子で、製品としては、それが1種類だけです。価格帯が2種類あるので商品としては2種類・・・伊勢の地元だで無く、関西の主要なお土産売り場で販売しています。新大阪駅の売上順位では、常にBEST5に入っています。

しかも、同様の商品に比べ、少々お高い!

あれだけ売れれば、余計な商品拡張の必要は無いでしょう!

規模の経済の模範的商品です!


範囲の経済の代表格は、おそらく「Muji・無印良品」かと思います。小売業態ですから、商品種が多いのは当然ですが、一つのブランドで、アパレル・雑貨・家具・文具・化粧品等それから食品まで、なんと!住宅まである。各商品群がイメージを連携して売れている。

世界を見ても、他に例は無い!


●それぞれのメリットを、バランス良く、うまく使う。

上記しましたが、規模、範囲・・・どちらが正しいはありません。業種・業態や、取り扱う商品によって異なります。そして事業は、両方の要素のバランスです。

ただ、単純な話をすれば、商品種が少なく「数」が売れるビジネスの方が、収益性は高いものです。しかし「数」を狙うビジネスは、通常、競争相手が多く、価格低減のプレッシャーがあるものです。その場合は「赤福」の様に、絶対的なポジションを確保する戦略を同時に進めなくては成りません!

ただ、単純な話をすれば、商品種が少なく「数」が売れるビジネスの方が、収益性は高いものです。しかし「数」を狙うビジネスは、通常、競争相手が多く、価格低減のプレッシャーがあるものです。その場合は「赤福餅」の様に、絶対的なポジションを確保する戦略・戦術を同時に進めなくては成りません!


また商品種を増やしたりや、業態をまたがる範囲を狙うビジネスは、それぞれの効率化=在庫買回転等、利益管理を気を付けなくては成りません。

当方は小売業の財務管理を担って居た事もあるので、よく解りますがアイテムを増やせば、売上は上がるが、利益率が落ちます!ロスが増えるのです。 そのアイテムの中に「数」=規模を狙うモノを、ちゃんと組み込むか!全体の商品回転を高める戦略・戦術が必要に成ります。

あえて申し上げれば商品種は、少ないに越したことはありません。

だからバランスです。

中々「赤福餅」には成れないのです。


矛盾した言い方に成りますが、商品種は極限まで絞り込むのと同時に、極限まで拡げる!

と、言う事になります。


・・・これ!コンビニの店頭が、それをやってます。たまにはコンビニの棚をじっくり眺めて下さい。利便性(コンビニエンス)を提供する集客の為の品ぞろえ、回転を稼ぐ品揃え、ついで買い(セット販売)を狙う品揃え、利益を稼いでるなあ!と言う品揃え・・・そのバランスを見事に創り上げています。


●時代は、「範囲の経済」に進んでいる!

国内市場の縮小傾向は、このコラムで何度も書いています。

その中で成長を目指すならば「範囲」の拡張は、やはり必要に成って来ます。その中で如何に「(中)規模」を狙えるか!?

この勝負になって来ていると思います。 今の業態、今の主力商品から、「範囲」を如何に拡げ、顧客を増やし、収益機会を得るか?

そこを考えていくべきです。

そして「範囲」の組合せで差別化!競争力の強化を狙っていく時代へ移行しています。

これは商品だけで無く、サービス分野も含めてです。そもそもの本業を超えて行く能力・機能の強化を図らねばなりません。 産業財の部品業ならば、アッセンブリーに拡げ、何らかのモジュールへの製品拡張が可能かと思います。


ただ「範囲」を拡げるにあたっては、何を軸にするか?この選択がポイントです。モノベースの技術か?顧客ニーズか?チャネルの再活性化か?

その真ん中に来るのものが、現在の事業コンセプトです。つまり提供している「顧客価値」になります・・・何度も言っていますが・・・


「規模」には必ず限りがあります。モノの特徴によっては価格競争が激しくなる!だけ!みたいな現象も出ます。

だから、どう?如何に?自社のコンセプトを軸に「範囲」を拡げるか?がテーマになって来るでしょう。


ご提供するCategory戦略プログラムでは、まず事業コンセプトを明確にして、それを軸に事業領域を考える要素も含まれています。



新しい「範囲」への挑戦は、不可欠と考えるべきかと思います。


マーケティング・プロデューサー

原 テルキ











Comments


bottom of page