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「値決めは経営」その本質の考え方?


値決めと経営

●値決めと経営とは・・・?

京セラの稲森氏の言葉に「値決めは経営」と言う有名な言葉があります。これは価格は常に市場(顧客)の状況で変化する!それが故に価格を決めるに為には、不断のコストダウンの努力をしなければ利益は残らない!・・・大体、この様な趣旨なのですが、何故か?どうも”コストダウン”の所だけが独り歩きしている様な気がします。 ・・・その様に、受け取られていませんか? コストダウン!と言われると、何か窮屈な気分になってしまいます。

確かに市場の要求に答える為に、価格対応は重要ですが、この言葉の本質・・・値決めと経営は、ちゃんとコスト管理をする!で、あって、決してコストダウンを目的化する言葉では無いはずです。 もっと外向き!前向きにな教えだと思うのです。


そしてコストダウンは、常に経営者が目を光らせる事でもありません! ・・・以前、こちらに書いた「1対1の法則」の話です。これも稲森氏が残された大事な「考え方」です。

自社のモノの販売価格を決めるのは確かに重要です。

販売価格は利益を決める企業業績の基本ですが、「それを経営!」と、言うならば事業戦略として、その売値・価格・コスト管理の「考え方」を組織徹底する事が更に重要です。

唯々「コストを下げろ!」では組織は、萎縮します。

おそらく稲森氏は、その事=「考え方」の大事さを強調されるつもりが、なぜか?コストダウンの話と、それが経営者の業務にすり替わって様な気がします。経営者はもっと全体を視るべきのはずです。

それは事業戦略の「考え方」を示す事です。

それが「値決めは経営」では、無いでしょうか!?

●値決めと経営とは、事業の利益構造を決める事

消費財や、産業財の販売では、概ね販売価格は、その企業で何らかの「考え方」で設定され、営業や販売の方に価格自体は徹底はされているでしょうが、その価格設定の「考え方」について周知されている!協議されている!は、少ないのでは無いか?と思います。 ・・・なぜ?この価格で売るか!・・・です。 顧客に言われて価格が決まる!値切られて価格が決まってしまう事が大方です。


当方がサポートした会社で、「考え方」から、価格が決め得た企業の所の方が少ないです。 ・・・何を!いくらで!どの様に売るべきか!・・・です。

ましてや価格協議を、見積提出から顧客協議する様な商談ケースでは、その考え方が無ければ交渉が何度も重なる様な事も起きます! 「一度、会社の戻りまして検討させて頂きます!」と言うやつです。 そんなの普通じゃないの?と思われるかも知れませんが、このスピード感の無さは、今の日本企業の悪い所の一つです!

交渉担当する営業が、その場でジャッジ出来得る「考え方」が存在すれば、その場で即決!「YESorNO」が言え、それが営業への信頼にも繋がる効果があります。 ・・・対応が早く、しっかりした営業の方の方が顧客の信頼は得やすいものでしょう! 「考え方」の1つの例は以前にも、この書いています。コチラ→🔗

口八丁手八丁な敏腕営業ならば、価格を通してくるかも?・・・知れませんが、それでは営業の仕組み化に成りません! この販売価格=値決めの「考え方」は、営業の仕組みの中に組み入れるべきで、その役割は営業・販売の方が現場でしっかり担う様な機能を組織的に持つべきなのです。 販売価格=値決めとは、当然ながら会社の収益を決める重要な要素です。稲森氏は、それを経営の仕事!と定義されています。大事な事は理解できますが、本来は営業が責任を持ち収益を確保するのが組織としての一義です! おそらく稲森氏は、その大事さを強調された!と思うますし、営業の経営感覚を強調されたのでは無いか?と思います。 価格とは、本来、事業体の利益構造=利益戦略の要諦です。 事業戦略上での基本的要素です。

もう一度書きますが・・・何を!いくらで!どの様に売るべきか!・・・です。


●値決めと経営。「仕組み」があるか?どうか?

それこそが「値決めは経営」だと思います。なんでも社長が決める!では有りません!それは仕組みの無い会社の話です。 その仕組みつくりはカンタンな話では、ありませんが事業戦略つくりの中で、経営者が行うべき仕事です。

それでは、値決めのポイントは何か? 当然、しっかりと利益を確保する事なのですが、それが顧客・市場に通用しなければ話なりません!顧客の満足も必要です。 その両方を見据え、認められる価値として価格を顧客・市場に提示され、その価値=利益を認めてもらう努力=仕組みを創り上げる!事です。 大事なのは、その顧客の価値認定の仕組みつくりです。 結局は、モノへの顧客・市場の価値認定に成る訳です。 そう言う意味で価格決定権は顧客・市場にあります。確かにしっかりコストコントロールは必要ですが価値を創造する事です。 つまり、モノ(商品・サービス)を通じての価値が、顧客が「良し!」と認めてくれるか?その価値の問題です。つまり価格(利益)とは、総合的な事業戦略の「答え」であると考えるべきで、原価がいくらで、費用がいくらで・・・等の原価計算の結果ではありません。 どの様な価値を提供、どう提案出来るか!なのです。


また営業の小手先手法で何とかなるものでも無いです。事業体として価格=利益構造に対する、しっかりとした「考え方」=事業戦略と仕組みが必要なのです。 稲森氏の「値決めは経営」は、それも含んだ上での話だと考えます。 ・・・だから、販売価格の「考え方」を決める事業戦略が無ければ成りません!


さあ、まず「考え方」を考えましょう!

それが経営者=社長の仕事です。



マーケティング・プロデューサー

原 テルキ



#事業戦略 #マーケティング #経営者 #中小企業 #利益構造


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