●売上総利益ー経費=営業利益(単純に・・・)
さて!営業利益とは、会社が本業で稼いだ利益 = 売上総利益 (以前、書きましたが在庫が含まれます!)- 販売費及び一般管理費・・・です!
販管費とは、いわゆる経費ですから、売上総利益から経費を引いたら営業利益です。これがプラスなら本業で利益が出ている!です。PL上は・・・キャッシュは知りませんが・・・在庫額が影響します。 ・・・とにかく、この営業利益がプラスかマイナスか!銀行などが重視する点です!だから、皆さん経費を下げよう!と色々努力される訳です。
それは正しい事です!・・・無駄な経費はカットすべきですから・・・
さて、その経費ですが~『販売費及び一般管理費=販管費』と言われてもピンときません!
そこで、よく使われる経費の種類が固定費と変動費
・固定費=会社の売上高や販売数量などに影響されない、一定に発生する費用
・変動費=生産量とか、売上や販売量に比例して増減する費用です。
この2つは、経費だけとは限りません!原材料~原価に含まれるモノもあります。
今は、経費の話なので原価上での固定費・変動費は含まず、お話をさせて頂きます。
よく固定費削減を謳う話が出ます!確かに、その通りですが、固定費の主たるものは人件費(給与や法定福利費等)と物件費(家賃)です!大体、そうです!後は減価償却費=これは、その時点でのキャッシュとは切り離して考えます。
経営者や会計管理者なら一度は‟妄想”した事があるかと思いますが・・・「人件費が変動化しないかなあ!」・・・・でしょう!
売上が下がれば人件費も、同じように下がる!・・・
製造業の場合は、繁忙期と閑散期なんかがあると、パートさんのシフト調整で出来ない事も無いですが~(最近はパートさん自体が集まらないので中々難しいです!)
営業の場合はどうでしょう?・・・完全営業成果報酬・・・制度上出来ない訳では無いですが、まあ今の自社スタッフで行うのは不可能でしょう!
これを導入している会社もありますが、間違いなく人は定着しません!優秀な人は、常に報酬の良い所に流れますから・・・
こういう‟妄想”が起きるのは、固定費と云う「固定」と云う単語が良くない!
管理の仕方が、下げたい!増やしたくない!・・・と、言うイメージが湧いて来ます。そこからは中々前向きな発想は出ません!
●経費(費用)管理の考え方・・・機会費用と直接費用
そこで営業やマーケティング・マネージメントとして費用の考え方と、営業利益を生み出す考え方として、費用の用語を「機会費用」と「直接費用」を提案します・・・やや言葉遊びですが・・・
◆機会費用
やや難しくなりますが・・・あることをするために犠牲にし、見過ごした機会に源をもつ費用のことを機会費用。これが定義ですが、ややこしいので・・・ある事を行う為に掛る費用!と、言う意味でとらえて下さい!
ある事とは、利益を生み出す活動!そう理解して下さい。
簡単な例で言いますと、ある営業スタッフが1日かけて対応した得意先さんA社さんにとった行動の費用で、もしかしたら他の得意先さんB社さんに対応したら、もっと売上や利益が得られたかも知れない!?と云う費用の考え方です。
AとBに掛る経費(人件費)は同じですが、Bならば利益がアップしたかも知れない!・・・ある意味、機会損失になった!と云う理屈です!
◆直接費用
その取引なりが発生した時に出る費用です。例えば物販の場合は運送費とか、事務処理スタッフの手間の多さとかで実は残業して対応した!とかです。つまり、その取引が無かったら掛からなかった費用です。いわゆる変動費の一部です。
ここからが本題です。固定費を機会費用と考えれば、何をするか?です。
つまり売上・利益を上げる為の費用が一定(固定)だとしたら・・・です。
そうです!明らかに業務の優先順位を整理するはずです。そして機会費用の中で効率を如何に上げるか!を考える事です。ただ「固定費を下げろ!」では有りません。そう!しなければ成りません!
特に営業は、外で稼いで来るのが仕事ですから、「稼いでいない業務」を明確に整理しなければ成りません!
・・・ここで、誤解が無い様に申し上げますが、よく「営業はとにかく外へ行け!顧客の所へ行け!」とハッパを掛ける事は決して優先順位が高い訳ではありません。ただただ、無目的に「何か御用はありませんか?」で客先を回っているだけでは、有効な機会費用の使い方ではありません。
社内でじっくり提案資料を作る方が、優先される事もあります。 情報収集・整理も稼ぐためには、重要な業務です。
無駄なのは、特に何かが決まる訳では無い会議。事務処理、ほぼ意味の無い社内資料の作成(根回し用の社内資料はすべて無駄です!)それにボーっとしてる時間!
・・・「稼ぐ」為、以外の時間です
最近ではブルシットジョブなどと言われる業務です。
●営業利益を高める=価値を生む業務。生まない業務を理解する。
組織と営業スタッフそれぞれが業務の優先順位を明確化し、組織的な共有情報になれば確実に業務改善=生産性のアップ=収益性のアップになります。 価値=利益を生む業務と、生まない業務の意識を組織で持つ必要があります。
そこで必要なのが、会社の1時間あたりのコスト=固定費の算出です。
これは固定費予算を総営業時間で割れば算出可能です。
あえて言えば、1人当たりも出してみる事です。
これ!反対から見れば1時間あたり、どれだけ事業の「粗利」が必要か?もわかります。
これを、ややこしくしたABM(活動基準管理)とは、ABC(活動原価基準管理)
と云うマネージメント手法があるのですが、そこまでしなくていいです!
面倒くさいだけですが、参考にはしてください。
営業利益をアップさせるのは、稼ぎを増やす=まず粗利を稼ぐ!
そして、単位あたりの機会費用の効率をあげるべく、業務の優先順位を組織的に決める!結果として、無駄な経費が削減される!無理やり経費を落とすのではありません!優先するのは稼ぎを増やす事です。稼ぐを増やす=粗利を増やす。業務効率を高める!そして営業利益を高める!
それが営業利益を高める順序です。
それを数字の構造として理解する!利益構造の理解です。
それには、自社の事業戦略を明確にしなければ成りません。 このCategory1戦略は、経営者の方、自らが考え創る 事業戦略プログラムです。
ぜひ、お役立て下さい。
マーケティングプロデューサー
原テルキ