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事業での「商品」の役割を考えてみる。商品には事業戦略上の役割がある!


「商品」の役割
商品の事業戦略上の役割

●「商品」には戦略上の役割がある!

いつも事業の真ん中は顧客! 商品・サービス(モノ)は、その顧客に価値を届ける媒介と云っていますが、確かに事業活動のベースとして商品(モノ)は、事業戦略の軸になっているのも事実です。

売るモノがあって初めて、営業や事業が始まる!順序的には大方が、そうなってしまうのも仕方が無い事なんですが。。。

特に製造業の場合は、作るモノ=売るモノになる訳なのですから、提供価値もモノから思考ですし、起業される方は、まず何を売るか!から大方考察します。 それが故に商品=モノを考える事は極めて奥が深く、解りにくく成るのですが、そのモノについて考えていきたく思います。 本日は「商品」の役割、大抵の企業の方は、商品を複数アイテム取り扱ってられます。商品構成としての商品群です。

中には1品主義的な会社もありますが・・・伊勢の赤福さんは、中味容量が違うだけの2アイテムで、あれだけの帝国を築かれています。 ・・・羨ましいですね! そして、その商品構成の中で、事業戦略プログラム上、各商品での役割を明確にされているでしょうか?販売する商品構成の中には、その商品ごとに役割があります。その役割によって構成を考えなければ、売上・利益に影響します。大方の方は理解されていると思うのですが・・・ 勿論、これは業種・業態にも拠りますが・・・


●「見せ筋」「売れ筋」「売り筋」

この「見せ筋」「売れ筋」「売り筋」と言う考え方をお持ちでしょうか?

代表的な例で、云えば、アパレル小売りの場合、商品計画(マーチャンダイジング)の中で、「見せ筋」「売れ筋」「売り筋」・・・と、分けたりします。 ★「見せ筋」は、そのシーズンイメージを象徴する様なデザインで、価格も高めで、デザインも象徴的なモノ・・・売るのは結構大変ですが、集客やイメージアップの為に必要な商品ライン。 ★「売れ筋」は、その名の通り、季節のトレンド(流行り)を意識したアイテム、価格も低めに設定します。但し、競合店も同じようなモノがあるので、その点は注意点です。 ★「売り筋」見せ筋と売れ筋の中間に位置して、利益を確保出来、店舗の個性を訴求出来る商品群です。価格はミドルライン(そのお店の)利益も高く、上顧客さんに売りたい商品です。このラインが売れるか?売れないか?で、売上・利益等の大きく影響します。それが故に、このラインを売る為に様々な策を施します。 しかしながら、最近のアパレルでは「売れ筋」集中で、どんどん店舗の個性が無くなるのと、競合店も「売れ筋」強化するので、結果価格競争が起きる!この負のサイクルが長く続いています! そして、その負のサイクルは残念ながら、未だに解消されていません!

事業戦略が無い証拠です。


●様々な「商品」の役割設定を!

アパレル小売りを事例に出しましたが、消費財・産業財でも同じような商品別の営業・販売上の性格=役割があるものです。

最近よく言われる、ファーストエンド・バックエンド商品と言う言葉・・・最初は価格的にお得な商品(これが見せ筋)を販売し、顧客データーを獲得した上で、後に本当の売りたい商品(売り筋)を販売する方法。ECやダイレクトマーケティングで使われる手法です。 また古典的手法ですが、うなぎ屋さんでメニューは「うな重」上と並の場合、売れ筋は並になってします。そこでメニューに高い「特上」(見せ筋)を加えると、上の半橋数が伸びる!と言う仕掛けです。たまに「特上」も売れてバンザイ!これ!意外に効果があります。 価格訴求で量を狙って販売するモノ、価値訴求でしっかり利益確保するモノ、新規開発での提案に扱う独自性の高いモノ・・・等々

価格、機能、品質、付加サービス等の駆使して、この「見せ筋」「売れ筋」「売り筋」の役割を駆使する戦術です。 この様に通常、商品構成上、各商品・商品群での役割を設定されているケースがあるかと思いますが・・・ さて、問題は、その役割を事業戦略として、明確化されているでしょうか? とにかく!売上!だと、しっかり利益を確保すべき商品を、つい安く売ってしまったり・・・さすがに無いと思いますが・・・


それから、本来の「売り筋」をちゃんと軸にした営業・販売・販促を行なわれていますか?

つい、「売れ筋」ばかり売ってしまう。

また提案活動をおろそかにする。どうしても楽な方に流されていきます。そうならない様な商品構成と営業活動を、事業戦略で設定すべきなのです。

・・・そのポイントはやはり商品の粗利率です。


但し、この「見せ筋」「売れ筋」「売り筋」は業種・業態によっては考え方が変わるケースもありますが、価格と集客双方を考えて設定されるのが良いと思います。 それが故に、自社の商品計画(マーチャンダイジング)上での商品の役割設定は重要です。 そこから、どう提案・説明すれば売れるか!?の考察が生まれるからです。それを、ちゃんと組織的に理解・共有して販売を行わないと、全体の体系が崩れます! そして、商品価格を一度安くすると、もう元には戻せません! 顧客から安いモノを売ってる!と言うポジションに扱われると、そのポジションを変えるのは極めて難しくなる! 顧客から、そう言う要望ばかり来るようになります。 当方も、それに陥った産業財の改善に苦労した事もあります。 商品構成、顧客構成を変える!と云った荒療治になってしまう。 商品は、その役割と提案の仕方を、まず事業戦略を持ち、体系的に組織として実施しないと経営の根幹にも関わります。 その事業戦略の構築の中で、一度、自社の商品計画(マーチャンダイジング)を、ご確認下さい。






マーケティング・プロデューサー

原 テルキ


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