・・・少々、難しい話ですが、目標管理において大事な話ですので・・・
貴社の組織のマネージメントは上手く行っていますか?
●組織を動かす!組織における機能の話
組織(事業体=企業)とは、その目標達成為の“必要機能”を持った構造です。 何度か書いてますが、最も重要なのは“目標”であり、組織内の機能はその目標到達(達成)の為のみに、正に”機能する“道具に過ぎません。 また、その機能の集合体である“構造”=組織(会社)は目標到達へのルール上のフィクションに過ぎません!理屈はそうです! 株式会社等の収益法人は商法(会社法)の法律で規定され存在します。 その目的は株式価値の極大化です。基本はそれです。
要するに利益をあげる事です。
その為に目的を達成する様目標を持ち、必要な機能をセットアップします。 その機能とは?・・・それは、まず資本(金)であり、設備であり、人であったりします。機能は、‟事業資源または、役割”と、置き換えても良いかと思います。
組織がフィクションである以上そのカタチに囚われる必要は無い! くらいの柔軟な考えが必要かも知れません。そして究極的に言えば構造の中に必要なモノは、組織を動かす為の機能だけです。(目標達成の為の・・・) ・・・言いたいのは、そういう事です。
但し、さすがに「人」を、ただの道具とは思いませんし、会社の目的が株主の為だけ!とも思いませんが・・・あくまで理屈上の基本はそうだ!と言う事を知った上で「何をするか!?」を考えて頂きたいのです。
●事業組織は、機能の集合体
構造(組織=会社)を機能(資源と役割)の集合体と考えれば、かなり頭の中がクリアになります。あえて申し上げれば、日本企業がこの 30 年の間に世界に後れを取ったのは、この構造の考え方を、真に考えなかったのが原因と考えています。 逆に、その隙に新自由主義者の勝手を許したのでは無いかと・・・?? だから、あえて一度はシビアに考えてほしいのです!
この図ですが・・・事業体組織(企業)の5つの要素・・・構造・機能(役割)・目標・計画(作戦)・行動とした、単語と概念図を示しています。
もちろん組織は様々な要素で構成されています。故に、この概念は一つの考え方です。
しかしながら、結局、企業の中身は、ある種の因数分解で、この5に纏まります。
完全に、ここに纏まります。
それを、ご説明します。
まず解りやすく説明するには順番を逆にして説明させて頂きます。
●行動・・・それを実行する日々・月々・年々の活動
企業はそれぞれ何か行動します。当たり前です、その行動の結果が成果です。その行動は市場・顧客に向けてのモノです。内部活動はあくまで補足的行動です。
・・・では、何に基づいて行動しているのでしょうか?
●計画・・・目標達成の為の思考・企図・行動プラン・予算等
めったやたらに、何も考えてなさそうに行動している様な企業もあります。見た目は元気ですが・・・ しかし、普通は、必ず何か計画があって動いています。 本当に何も考えてなければ、すぐに会社は潰れるでしょう!
とにかく行動には計画が必要です。
緻密な計画の場合や、大雑把な計画の企業色々ですが、定数・定量どちらも計画化するのが普通の企業です。 行動計画はちゃんと設定されていますか?
でないと、自分たちが今日何をしていいのか?わからないはずです。
●目標・・・事業を行う上での目指すトコロ・・・数字やカタチ
計画の前には目標があります。そうでなければ計画は出来ません。
これは数字の場合もあれば、「夢を語る」様なケースもあります。
柔軟に変化しながら進める会社もありますが「根」となる目標は大体不動です。
さて、ここまでは普通にご理解は頂けるかと思います。
通常、企業・会社の日々はこの3つの要素は、相応に意識されているかと思います。
・・・問題はここからです。
●機能・・・事業に必要な資源・・・設備、人、ノウハウや技術・知識・手法等。
会社・企業が事業を行う基盤は、この機能です。 これ無しに目標・計画・行動はありません。
例えば何かのメーカーで現在の製造設備で1日1000個製品が出来る機能なのに、1日10,000個の販売目標や計画は立てられません。 ノウハウも無いの建物の設計や建築なんか出来ません。 これらは起業時には、起業家そのものが用意しなければなりません。 大体、永年の蓄積がある企業・会社が大方です。 ですから機能を言い換えれば「資源」です。 あえて言えば「お金」も資源=機能です。
前にある目標・計画・行動は、その資源(機能=役割)の配分の事です。
機能とは、その企業が持つ事業の元となるものです。
・・・さて、残るは最もややこしい「構造」です。
●構造・・・その企業の成り立ち~組織=企業体そのものです。
世の中には数多くの、組織について語られた書籍や論文がありますが、未だ組織が、それでうまく言ったという話は、あまり聞きません。 一時的にうまく言っても、いつのまにか?ダメになっています。
・・・ごく一部の例外を除き。 構造を、哲学・数学・人類学から出た「構造主義」の考え方を当てはめれば、 構造=組織・社会・・・とは、制度・秩序・ルールと言い切れます。
先にも書きましたが、企業・会社は資本主義の制度下で会社法に基づいた「箱」に過ぎません。本来がそうなのです。
その「箱」の中に「資源」=「機能」があって、目標~計画~行動があり、その結果、前記した様に、成果を出す訳です。 そして企業・会社と云う構造の外側には上部構造(外部構造とは言いません)が存在します。それは業界と云う構造であったり、経済社会と云う構造であったり、他の会社であったり。企業の外側の世界です。物理学では一番外は宇宙のまだ外側です。
顧客や市場は外部・・・上部構造の中にあります! ・・・「何!こいつ話をややこしくして何か煙に巻くつもりか?」
・・・ではありませんので・・・
本来、組織(構造)は目標到達の為に機能的でなければ成りませんが、なぜかそうなりません。「人」の感情(メンタルモデル)によるバイアスが掛かります。それが組織の機能性の邪魔になる! 本来、人に置き換えれば「機能は役割」ですが、実は、多くの会社で、その役割も明確で無い事が多いです!決めてる様で明確で無い!
ご本人ですら理解出来ていない!せいぜい「俺は営業だ!」くらいです。
「役割」とは、もっと奥が深いものです。 そして組織としては、ちゃんと決めているはずが、それそれの意識の中でバイアスが掛かり、動きに制約をもたらす。
大体、構造の所で不具合が起きるモノです。
結局、「人」の集まりですから・・・そこが難しいのです!
●役割・機能のモジュール化
そこで提案するのが機能(役割)のモジュール化です。
構造体(組織)を機能で分解化して再構成させる事=これを機能モジュール化と言わせて頂きます。この場合の機能は「目標を持った役割」と理解下さい。
※このモジュール化は、少々大きな事業体にも適応出来ます。但し全体目標の設定が明確であれば!ですが・・・
何度も何度も書きますが、重要なのは目標です。そして目標の理解です。 それ以外の要素はマネージメントからは本来排除すべきなのです・・・中々出来ませんが!
モジュール化「目標を持った役割」を構成するには、いくつかの手順が必要です。 ⑴全体の業務フローを整備する ⑵フロー内のどこで価値を生み出すか?を考え、その業務単位で分割させる。 ⑶各業務単位の役割を、再度整備・設定する。
※他業務単位と組合せもあるかも知れません。
⑷全体にまとめなおす。 ・・・体系化です。
各機能モジュールは、その目標と役割=機能が明確になります、明確にしないとモジュール化出来ません。
逆にそれ以外の事は余計な事に成ります。そこに集中する!
その全体を動かすのは社長の仕事です。
機能モジュール化を言い換えれば「機械」的な構造と同じです。云い方は悪いですが・・・
これまで、何度も申し上げていますが、あえて言えば、日本の企業においてマーケティング部門(営業)またはホワイトカラーでの、この「機械化」が遅れた事が長期低迷の原因です。 製造部門ではトヨタをはじめ、出来ていますが、なぜか、いわゆるホワイトカラー部門では出来ていません。
確かに人は機械には成れませんし、機会の様に管理すべきではありません!それが故に個々の役割と機能を整備して、業務プロセスを整備するのです。
●やはり仕組み化!
これもあえて言えばですが、最近流行りのDX化とは、「機械化」と同じ意味です。
DX化は、事業戦略を持った上で、組織の機能モジュール化とセットでなければ、間違いなく成果は出ないでしょう。
さて業務のモジュール化のやり方ですが、まず新しい戦略での業務フローを想定し、現状業務と新しい戦略で発生する業務の洗い出しが必要です。それは細かく項目を上げて設定する必要がありますが、これは協議で決まる様な作業ではありません。利害交錯が多すぎますので出来るだけ小チームが行うべきです。
次に各業務の価値貢献度(創造能力)とコストの設定です、これも細かくやればキリがありません。しかしながら各業務の分析としては役立つものです。一種のルール化と理解下さい。 そうすれば目標から機能・・・成果・責任までが明確になります。またそうすべきです。
これで人員の効率も始めて判断が出来ます。
粗利を人数で割るだけでは、本当の労働生産性は見えませんし、改善も出来ません。
そして全体を視る管理者はあくまで全体の流れの円滑化や、全体で価値創造は出来てるか?で・・・各モジュールへの改善指示が出来、各モジュールはチーム活動として機能強化を日々改善が可能です。
それも明確なルール化が必要ですが・・・その基準は全体目標と各モジュールに課せられた目標からの判断です。
●事業組織にあるのは、「機能=役割り」!
それから構造内(組織内)には、上司・部下とかの「立場」と云うモノは、ありません。
「立場」など、本来事業体の機能=役割りには必要ありません!
・・・が、日本人なぜか?「立場」大好きです!! 経営者と云う、部長と云う、課長と云う、機能です。
そして、それは役割りです。~~立場ではありません!
役割りがある!それに必要な機能を持つ!そして目標~計画~行動です。
その為に戦略×仕組みが必要なのです。
中小企業の営業改革・改善には、まず戦略構築!そして、この構造(組織)と、機能の事を、踏まえる必要があると思います! 真の意味での生産性も上がりませんし、成長も出来ないかと思います。
ややこしい話でスミマセン
そして、何か冷たい書き方で申し訳無いですが、お考え頂きたいテーマです。
日本の中小企業が飛躍する為の考え方だと、思っています。
前の写真の概念図・・・じわーっと眺めて頂ければ、何となくご理解頂くのでは無いでしょうか?!
御社の組織改革に必ず役立ちます! とにかく構造(全体)でお考え下さい。
・・・その為の事業戦略つくり!です。それが経営者=社長の仕事です。
マーケティングプロデューサー
原テルキ