●良い社長・悪い社長
組織の中には、役割と機能しか無い!と、以前に書きました・・・🔗記事 それは目標達成の為の役割と機能です。 では、経営者=社長の役割と機能とは、一体何でしょうか?・・・当たり前の話ですが、経営者の仕事は会社の業務のすべてに関わります。中小企業場合、会社のスガタと云うのは、そのまま経営者=社長のスガタです。伝説のコンサルタントと言われた一倉定氏は「良い会社・悪い会社と言うモノは無い、在るのは良い社長・悪い社長!」と 断じています。厳しいお話です。 そんな厳しい仕事において、社長の役割と機能とは?何でしょうか?
・・・事業戦略の基点、Category1戦略的に論じたいと思います。
●まず目標と、その体系をつくる。
社長の「役割と機能」は大きく言えば、この2つです。しかし、この仕事が大仕事!と云うか、トップマネージャー=社長の仕事です。その説明を致します。
1、事業の基本的目標を立てる! 起業(事業体)にとっての基本的目標・・・事業理念、事業ビジョン、自社の価値(コア・バリュー)そして事業哲学(フィロソフィ)を立てる事。これが無ければ企業の存在意義、行動意義が無い事に成ります!・・・もちちろ収益を上げる!は事業の基本目的ですが、「金を儲ける」だけでは、組織は動きません!
当方の経験上、この基本的な目標が曖昧~非体系なケースは多々あります。曖昧とは具体的で無い事です。今や「〇〇を通じて、社会に貢献する。」なんて理念は通りません。もっと具体的な基本的目標を設定されるべきです!
最近ではパーパスと言われるモノです。これら、すべては目標です。
2、目標を組織共有・徹底させる。 そして、この基本的目標を組織共有意識として徹底させる事です。特に現代は、この大きな目標設定は、美辞麗句的な、お題目ではダメです!経営者の思いを具体的かつ「ワクワク」する言葉で語る事が必要です。それで無ければ従業員、特に若いスタッフは理解出来ません。この基本的目標を組織共有するという事は、事業や仕事に対する価値観を共有する事。
会社は何を目指しているか?どの様に進むのか?事業・業務をどの様に進めるのか? これが強く・正しいもので無ければ成りません。それが経営者の使命では無いでしょうか!
これが会社の憲法の様な位置付けに成ります。
・・・そして、これは憲法ですから社長も守るべきものです。
3、長・中・短の事業目標を設定する。 次が、基本目標を基点とした長期・中期・短期の具体的な事業目標作りですが、ここからはミドル・マネージャーや、各スタッフの方と協議をし、組織的に目標設定するコーディネートをする役割です。 この際、絶対的に基本的目標との整合性を見ながら、長・中・短の目標を明確化して、それを経営者が日常的に語り、組織共有する事です。
多くの企業は、ここで崩れます。目標と現実のギャップが生まれます。目標とがゴールフラッグを立てる様なものです。まず、そこを目指す!その為に何をすべきか!の、考察や工夫が生まれる・・・その様な環境を組織に作るべきなのです。
これを行う経営者=社長に必要な能力(機能)は、事業構想力からのビジネス・モデルにまとめ上げる能力=事業戦略を創る機能・・・です。
もちろん、他にも様々な経営者の業務・・・財務・会計・人事・トップ営業等が、ありますが、基本的目標から創り上げた事業戦略は真ん中に置けば、その判断は出来得るものです。
●そして組織を動かす!
そして、社長の仕事の、もう一つが組織を動かす能力(機能)です。
これも社長と言う『立場』だけで、組織を動かそう!としても、うまく行きません!
ちゃんと目標を語り、組織意識を強化しつつ、仕組みを創る能力です。仕組みとは、仕事のプロセス設定と制度・ルールを作り、組織を目標達成まで機能させる事です。要するに、これがマネージメントです。
この時、やはり役に立つのが最初の「基本目標」です。組織の原動力は目標なのです!当然、従業員・スタッフ、その他会社の関係者の方々にも生活目標があります。その目標と会社の目標をシンクロさせて人は動きます。 価値観を共有する!事ですね!
特に2代目3代目等の経営者の方は、特に注意が要素です。
理想論と云われるかも知れませんが、事業体の目標と、スタッフそれぞれの目標がシンクロしなければ、本当の意味で真剣に働けません。
勘違いされては困るのは、これは「日本的家族経営」とは違います。忠誠を誓え!でもありません。もっと相互のプロ意識を高めるものです。
※マネージメントについては下記の記事もお読みください。
・・・🔗組織を動かす
目標こそが組織を動かす、唯一の要素と考えて下さい。
そして、それぞれが目標達成の為の自己管理を行う事が大事です。基本は自己管理です!
●社長は目標の「語り部」と成る!
経営者は、組織内においては、目標の語り部となるべきです。常に目標を組織的に意識し、一人一人が強い心で活動するか!は、この「語り」次第なのです。
この「語り」無くして、組織は動きません!経営には、他に細かい事は多々ありますが、それは誰かに任せるとか!テクニカルに処理する!とか方法論があります。何をおいても、一番の社長の仕事・・・役割と機能は「目標」を創り、組織を前に進める為に、それを語り続ける事です。
事業戦略は、その方法(施策)を具体的に考える事なのですが、強く・正しい事業戦略のすたーとは、目標なのです。
中小企業の社長は孤独な存在です。その孤独を解消するのが事業戦略と、目標共有~組織意識強化です。それしか・・・ありません!
マーケティング・プロデューサー
原 テルキ