●「ドリルの穴」=効用価値の話
自社が提供する価値の話です。価値の話は結構難しいので、比較的、簡単な話から始めます。
「ドリルの穴」と言う話ですが、マーケティング業務を少しは、かじった方ならば、「ドリルの穴」と聞けば、ご存じのはずですが、事業者や商品の提供価値を語るのに有名で、普遍的な話です。
アメリカの経営学者:セオドア・レビットが自著で述べた・・・ 「昨年、1/4インチ口径のドリルが100万個売れたのは、人びとが1/4インチのドリルを欲しかったからではない。1/4インチの穴が欲しかったのである」・・・ と、言うお話です。 早い話、価値とは、モノ(商品・サービス)そのものでは無く、モノから得られる「効用」である!を説明した文章で、1968年に書かれました。今から50年以上も前です。 ・・・ドリルを買う人は、ドリルそのものでは無く!穴を買っている!・・・端的に言えば、こういう事です。
しかし、残念ながら未だにドリル(モノ自体)を、売る企業は絶えません。
●しかし別に「穴」が、ほしい訳でも無い!
・・・さて、本題はここからです! 顧客の効用が“穴”!と云われても、何かピン!と来ませんよね!ドリルの購買者=ユーザーは確かにドリルの購買目的は“穴”をあける事でしょうが、その“穴”を何かに使うはずです! ・・・中には“穴”を、あけまくって遊ぶ!と云う方も居るかも知れませんが、おそらく、かなりの少数派でしょう。
“穴”をあける事によって、自宅の改装か?家具でも作るのか?金属加工で何か電気機器とかを作る趣味なのか?いやいや、そもそも木工、機械や電気機器等のプロユースなのか?
現在のマーケティングは、そこまで考えて情報を出さねばなりません!当方は工具自体は詳しくありませんが、木工か?金属加工か?樹脂加工か?おそらく素材等によって、その種類も変わるのでしょう・・・知らんけど・・・ しかし“穴”一つにも多様な機能や品質、そして意味が必要になって来るのです。 なぜ!そこまで・・・と云われれば、ドリルの販売も多くの競争相手があるからです。
また購買される方も、工具を使うのが初めてか?プロか?多様です。 この「ドリルの穴」の話は、モノ(商品・製品)そのものでは無く、顧客の「効用・便益」を、考え、提供しなければダメだ!と云う教えの原点です。
効用価値と言われる価値です。 「ドリルの穴」の話は、それを教えてくれます。そして、この話は50年以上も前に提唱され、有名な話ですが、多くの企業は未だ“ドリル”=モノそのものを売っています。
何度も申し上げていますが、価値とは、モノ自体から生まれるのではありません!モノを通じて生まれるのです。
※もっと深い価値考察は、また、このコラムに記します!
●効用価値とは何か?
さて!貴社が提供する効用価値は何でしょうか?
この効用価値とは、価値を語る為の基本です。意味は、その名の通りモノ・サービスの用途であり、便益であり、機能・役割です。そして価値とは、顧客価値です。顧客が認識する期待と満足です。
この価値~効用価値を見出したのはギリシャ時代のアリストテレスで、2000年以上も前に価値とは何か?を見出しました!その対極にあるのが交換価値・・・つまり価格です。
提供した「効用・便益」に対して、その価値と等価の貨幣を支払って頂ける!その様に考えて頂いて良いかと思います。
しかし2000年以上の時を経ても、価値では無く、モノ自体の考察に明け暮れている事業体が多い事!多い事!
もう一度、記しますが、モノを通じて生まれる顧客の「効用・便益」です。そこが企業の収益の源泉である事は、理解頂きたい要素です。
何度も何度も申し上げていますが、事業体は価値を売り=買って頂き収益をあげます。構造的には、価値は顧客の満足と等価です。その価値こそが、利益の源泉なのです。
まず、効用価値=ドリルの穴の話から、自社の価値とは何か?について考察して下さい。
経営者が絶対に忘れてならない!考察です!
マーケティングにおいては価値の定義や種類は、様々にあります・・・当方が申し上げる意味的価値も、その一つですが・・・まずは、この顧客の「効用・便益」=効用価値が基本です。自社の商品がいかなる「効用・便益」を提供しいるのか!この事は組織的にも考え、定義し、共有して下さい。
組織として理解していないと、組織がバラバラにもなってしまいます。
価値については、Categor1戦略プログラムに詳しく記載、貴社の戦略設定の説明を詳しく記載しています。お役立て下さい!
マーケティングプロデューサー
原 テルキ