●新しい需要?は、あるのか?
今の日本の様に、成熟し人口動態の影響で縮小する市場で、成長するには何らかの新しい需要=新しい市場・顧客を創り出さねば成りません。
しかし!新しい需要は創り出せるのか?を考えてみたいと思います。
まず、事業体から見て「新しい需要」とは何か?
ここからです!これには2つあります。
一つ目は、新しいお客さんを創る!の市場・顧客としての「新しい需要」を生み出す事。
そして二つ目は、新しく売れるモノを売り出す、モノとしての新しい需要を生み出す事に分かれます。
・・・前者は例えば、成長著しいインド等で何か!売る!ケース。この場合、決して「新しいモノ」で無くても構いません。市場全体での需要が伸びている場所でモノを売り出し、新しい需要=市場・顧客を創り出すケースです。そして、もう一つは人の市場・顧客を奪うケース。これも事業体から見れば新しい需要=市場・顧客の獲得ですが、これには激しい競争が伴います。
日本のビジネスの殆どが、このケースです。多くの事業体は市場で顧客の奪い合いを行っています。
・・・しかし、これで「新しい需要」を生み出している!と言えるのか??
これも例を述べれば、アマゾンです。彼らは新しい需要を生み出した訳では有りません。ECで、まず書店の顧客を奪っただけです。
そこで必要なのが、「新しいモノ」を生み出し、それで「新しい需要」を創造する・・・これまでに無いモノ(商品・サービス)で、市場・顧客を創り出す!ですが・・・さて?考えるべきは、今、本当にそんな事が出来るのか?です。
・・・例えば、まったく新しいモノ「XXXX」と言うモノを開発したとします!まったく新しいモノです!そのモノは誰もモ知りません!しかし顧客の効用は充分にある!これを知ってもらえれば、需要は無尽蔵にある!と考えられる!※スミマセン!当方は、その様なモノは思い浮かばないので、この様な例えになってしまいますが・・・
さて!?その様なモノがあるのか?
まったく新しいモノ、新しい効用、新しい需要は、経済構造的には、ほぼ無い!と言えます。
●新しい需要は、ほぼ「代替」需要!
概ね、新しい!と思われるモノは、それまであったモノの代替です。
例えば自動車。これは荷車や馬車等の代替です。
コンピューターだって、人間が計算していたのを機械に置き換えた代替です。しかし、そこには高度な技術革新がありました。その技術革新のお陰で、供給力=市場が増え、需要は大きく拡大した事は間違いありませんが、そもそもの需要から見れば代替の為の技術革新です。
前述していますが、アマゾンもインターネットと云う技術革新による顧客争奪方法の代替手段でした。
歴史を見れば、新しい需要創造とは、技術革新(アイディアと言っても良いです。)による代替に過ぎない!経済構造的には、そう断じても良いかと思います。
※アマゾンの場合は、技術革新を利用しての販売手法を代替した事が成功要因です。これにも様々な事例はありますが、要するに「代替」なのです。
要するに新しい需要とは、それまでに既に存在した需要の「代替」に過ぎません。まったく新しいモノで、まったく新しい需要は無い!とまでは言いませんが、99%は「代替」に過ぎないのです。
ご飯食がパンになる!たまには麺類、パスタ!を食べる!・・・決して食事の回数と量が、突然増える訳では無いのです。今在る需要を奪取する!現代の需要創造は、このカタチと理解下さい。 さて、新しい需要創造=市場・顧客の獲得が、これまでの何かの「代替」だと考えれば、現在の事業でも、何か!考えられる事はあるのでは無いでしょうか!?自社のモノ(商品・サービス)、または、その技術や売り方が、先に存在する他の需要の「代替」になる可能性は無いでしょうか?
ここに、新しい市場・顧客開発のきかっけがある!とお考え頂ければ・・・
●新しい需要を創る時の注意点!無益な争奪戦から離れる!
確かに、かつての経済成長期ならば、この需要の「代替」は供給が需要を増加させる!と云う効果がありました。自動車がそうですし、家電等もそう!機械産業もそうでしょう!
しかし、現在の経済状況ですと、ただ他の需要を奪い取る!現象なので、需要自体は、そう大きく成りません!ヘタをすると需要の総金額は下がります!
新しい「需要」を獲りに行って疲弊する!そんなバカげた事はありません。この事には、ご注意願いたいのです。
しかし今は、新しい需要とは、現在ある需要の「代替」を狙う!他の需要を奪い取る事です。
・・・前述で米・パン・麺類・パスタの例を出しましたが、同じ食事の需要で面白いのは「朝食」市場です。時代が昭和なら、ごはんにみそ汁だった・・・ですが、今はパン食が主流でしょう!そこに栄養価をうたうシリアルやグラノーラ市場が出来ました、ファーストフード店(牛丼チェーンも!)も朝食の充実を図っています!それぞれが様々に考え、独自の需要つくりを行っていて、小さな土俵で闘っている訳でなく。独自な土俵を創り、需要を創造しているのでは無いでしょうか?
この様な事業戦略の考え方が必要なのです。
新しい需要とは、現在需要の「代替」かも知れませんが、それを創り上げるのは戦略的思考です。
現在の日本市場では、他の需要を奪う!事と成ります。つまり競争です。
だから難しいのですが、それが現実です。でなければ事業は成長しません。競争に打ち勝つには事業戦略と、その推進マネージメントが必要である事はお解り頂けると思います。
残念ながら昨日と同じ明日は無い!
インド市場への進出も考えるべきかと思いますが、
今日、成すべき事を、ぜひ!お考え下さい!
マーケティング・プロデューサー
原 テルキ