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粗利管理こそが最大の利益管理!管理会計のススメ!

管理会計のススメ

・・・ちゃんと!利益管理はされていますか?その方法は正しいでしょうか?

●粗利管理とは事業体の存在価値の証

以前、このコラムでCategory1戦略は「粗利主義」と述べました。

それは粗利が事業体が生み出す付加価値ですし、事業体の生産性です。

つまり粗利こそが顧客が認めた事業体が提供する「モノの価値」そのものだからです。粗利が少ない事業は、顧客から価値ある会社・商品だとは認められていない証拠です。

・・・業種・業態にも差はありますが・・・

厳しい言い方に成りますが・・・既に役割を終えつつある事業だと理解すべきなのです!経費削減で営業利益を何とか捻出してもビジネスモデル自体が古臭ければ、おのずと限界は見えています。

当方が、これまで関わった企業で、利益が良い会社=強い会社の共通点は、営業力(マーケティング)が高い事、それから独自な管理会計で利益管理をしっかりされている事!
 
・・・この2点に尽きます。例外はありません。

ある時期ヒット商品に恵まれ収益が高まっても、その商品の勢いが陰ると、とたんに状況が悪くなる会社が多い!それは事業戦略と営業の仕組みが出来ていないのです。

そして、多くが、管理会計が出来ていません!

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●粗利管理~管理会計のススメ!

さて、本日はその利益構造のマネージメントのお話です。管理会計の話です。
 
実は決算書や月次試算書を見ても真の粗利は見えない場合が多いです。特に商品(製品)を販売する企業・・・特にB2B企業及び小売り業向きのお話です。

それは在庫の問題です。在庫は会計資料の中では「売上総利益」として内部利益に含まれてしまいます。確かに在庫は明日「お金」になるかも知れません。
 
しかし、当方が進める管理会計はもっと単純です。

●販売価格(売上)-原価(仕入れ価格など)=粗利(単純粗利)

少なくとも月に1度くらいは、この計算をする管理会計を行って頂きたいのです。

京セラの稲森氏の本で「実学」と言うのがあります。管理会計の事を書かれた本ですが、そのなかに「1対1の法則」と言う手法が出て来ます。これは1取引あたりの利益(しかも営業利益)を管理する!と言う内容ですが、さすがに中小企業では、そこまで出来ません!
 

Category1戦略では、基本、粗利を優先しています。
 

その手法としては・・・

1、製品(サービス)別、粗利管理
 
・・・一定期間(月次・年次)に販売した商品の総計売上から原価総計を引いた、製品別単純粗利管理。
 

2、顧客(販売先)別粗利管理
 
・・・取引先別等で、同じく一定期間の売上から、その原価を引いた粗利額の確認

顧客別単純粗利管理
 

3、取引別粗利管理
 
・・・これは少々手間が掛かりますが、日々の1件1件の注文~取引別で、売上-原価の粗利確認=これが1対1の法則です。
 

 
ただ上記、全商品、全顧客先、全取引をいつも計算する必要はありません、売上の多い順で、上位20~30%くらい確認して頂ければ結構です。

当方が業務サポートする際は、当初は必ずこれを行って頂き、協議の資料にします。

さて、結果は・・・売上高は多いけど、粗利額は少ない!(当然粗利率は少ない)、取り引き先別でみると経費率を考えると「赤字」じゃあないか!
 
・・・毎日、受注処理にあたふたしてるが、ぜんぜん儲かってないじゃないか!
 
・・・と、言う様な事が分かります。・・・実は、これが一番の問題です。

●管理会計で、粗利を管理する!

今度は、粗利率の良い商品で、そこそこ売り上げが稼げている商品。(そこそこでいいんです!)や、粗利率の良い取引が無いか??調べます。
 
まったく無いと目も当てられないのですが・・・
 

益率の良い商品は、実は意外にあります!売り上げが目立たないから、何となく、やりすごしている商品・取引です。つい売上に目を取られるもんですが。。。

そんな商品と顧客先について改めて考える!

・・・「どうして、これは利益率がいいのか?」

そう言う所に、業務改善の手がかりがあります。メーカーさんの場合は、ある程度の数量を製造して販売しないと原価は上がります。つまり製造数量販~売数量と粗利のバランスを見た上で、うまくいっているケースを確認する。

そして「なぜ、この商品、この顧客先の粗利が良いのか?」それを調べ、考える事です。

もちろん単純な答えの時もありますし、奥が深い答えの時もあります。

その状況を考えれば、収益性の高い可能性のある取引モデルが見出せる可能性が高まり、新しい提案要素が生まれるのです。


 
・・・これが利益構造分析の粗利版です。

※→コラム・・・営業利益を高める

これをしないと必ず、売りやすい商品を、売りやすい先に一生懸命営業~受注処理~出荷をして、蓋を開けると「赤字」なんて話、山の様にあります。

常に自社の粗利=付加価値=顧客への価値提供状況を視て、営業の改善を行っていく事が営業の仕組み化にも繋がって行くのです。

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カンタンで当たり前の話の様ですが・・・実は管理出来ていない企業さんが多いのも事実です。勿論、管理会計の基本は、売上管理が中心に、資金収支等の財務面の管理も怠ってはいけませんが、自社がいくら?稼いでいるか?=粗利を基本とすれば、資金面の問題にも繋がります。
 

管理会計の話をすると、回収サイクルや適性在庫~発注サイクル等、難しい要素もあるのですが、まずはこの自社の利益構造の仕組みつくりの為に、この粗利分析をを実施される事をおススメします。

マーケティングプロデューサー

原テルキ