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戦略ガイド・リポート

事業組織をマネージメント₍経営
​出来ていますか?
​事業戦略改革のススメ!

BtoB(法人)事業 成功の条件

​※経営者用

※約5~6分でお読み頂けるリポートです。

●停滞する収益性

失われた!と云われて30年超。この間日本経済は停滞・低迷を続けました。
GDPの伸びはわずかです。これは日本経済全体の話ですが、
個別には企業はその全体の一部であり、
一部の集合が全体の数字(GDPの60%は中小企業のシェア) ですから・・・ 

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※日本・中国・アメリカの
 GDP傾向

ほぼ昭和時代の話になりますが、中間財商社・中間中通企業は何か「モノ」を取り扱っているだけで充分な収益があり、右肩上がりの経済環境で売上・利益も伸びていました。
しかし、もうそんな環境では、ありません、
伸びない市場での
競合社間の競争は一定パイの取り合いになっています。
この状況は充分にご承知の事と思います。
勿論は成長の機会を獲得された企業も沢山あろうかと思いますが、
しかし、何とかリーマンショックを耐え抜きながらも、
ジワジワと売上/収益性圧迫の状況が続く・・
・・・大変失礼ながら、これが現実的状況では無いでしょうか?
そして、コロナ禍を経て為替の不安定の状態です。
また、世界の政治的不安も増しています。

なぜ?この様な状況に陥ってしまったのか?
いくつかの複合的な原因がある構造的問題ですが、中小企業の問題としては、
この間やはり事業改革=特に営業・マーケティングの改革・改善が無かった事が、一番であると考えます。過去からの手法を変化に対応する事なく、ただ、そのまま続けて来た・・・。
何とか行ったのはコストダウン(原価・経費)くらいだった!では、無いでしょうか?

勿論、営業業務に対しても、何もしなかった!訳では無いでしょう。
・・・しかしながら、その多くが部分的な改善で、営業内での会議だけは増えた!
営業の研修を行った!等、しかし中々成果に結びつかない。
・・・様な事の繰り返しでは無かったでしょうか?
改革・改善は営業の「仕組み」そのものを変えなければ成果は上がりません。
それには日々の営業活動自体を、
成果が上がる「仕組み」「体系」を作らねばなりません。
​また、新しい収益モデルの創造は不可欠なのでは無いでしょうか?

●なぜか製造には出来て、営業には出来ない「カイゼン」

 世界に冠たるトヨタ生産システムの「カイゼン」。
この考え方・手法は日本の製造現場全体に普及し、現在でも日本の製造業は世界トップレベルです (※但し企画開発能力と一部業種は除く) 。しかしながらマーケティング部門・営業部門の生産性は低いままです。まず、トヨタ生産システムとは・・・壮大な内容を超カンタンに言いますと・・・
トヨタ生産システムは自動化(人間を組入れた考え方で、工程の問題に対して常にカイゼン)と、
ジャストインタイム等(各工程の最適化)で、且つ全体最適も図ると云われています。
その本質は独自の
『工程管理』と云っていいと思います。

 さて、営業やマーケティングに
『工程管理』と云う発想があるでしょうか?
実はアメリカでは70年代から自国の産業が日本製に凌駕され「Japan as No.1」なんて言っていた裏で、日本の生産システムを研究し製造では無く、マーケティングや管理業務等に
『工程管理』の発想を組入れました。
activity-based management・・・ABM(活動基準管理)と、言われるものです。
この考え方は、その後のIT産業勃興に活かされていきます。ある種のコスト管理手法ですが、
逆の意味では、そこから
生み出す生産性(付加価値)向上が狙いです。

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日本の製造業の「カイゼン」は、
営業やマーケティングではアメリカの
競争力に寄与しましたが、
残念ながら、日本ではなぜか??
まったく活かされませんでした!

 最近よく、その日本の生産性は低い(低下した!) と云われますが、それはどういう事でしょうか?世間では「付加価値を高めよう!」「生産性を上げよう!」と、言葉ではよく出ますが、
その本質を本当に理解されているか?極めて「???」です。
・・・本来生産性とは本質は単純です。
それは事業の粗利です。「単純粗利」=売上―原価です。つまり、それが付加価値です。
これはPLの営業総利益とは違います。
これも単純ですが営業総利益には内部利益~早い話在庫が含まれます。
確かに在庫は資産ですが、付加価値、生産性は生み出したキャッシュを基準に考えるべきで、
会計的には単純粗利が基本となります。

しかし 世間では生産性の話をすぐに“労働生産性”(一人当たりの生産性)に置き換えて話をする
エコノミストが居ますが、彼らは何か陰謀を企んでいるのか?アメリカのスパイか?
・・・と、勘繰りたくなります。
生産性とは本来、事業で生み出す価値=単純粗利の事です。
それが“労働生産性”と言った瞬間に、話はコストに飛びます。
コスト・・・費用・・・まず一番は人件費または人員数の話等ですが、
大体、元々の生産性=単純粗利が低ければ労働生産性もへったくれもありません!
まずは「単純粗利」を稼ぐ!それが高付加価値・高い生産性の基本と、
ご理解頂ければ良いかと思います。
日本の企業は、この「単純粗利」=付加価値を下げ続け、代わりにコストダウンに邁進しました。
それが、今の社会・経済・企業の現状です。

※この話をすると長くなるので、この辺りで・・・

●事業は「高い単純粗利」を稼ぐ仕組みを!その為の「工程管理」。

「単純粗利」について、もう少し考えてみます。
企業にとって
「単純粗利」=生産性=付加価値です。では付加価値とは何か?よく使う言葉ですが、改めて聞かれると「???」に成ります。
・・・※会計や経産省等の定義では微妙な違いがありますが、ほぼ同じです。
その意味は・・・‟企業による事業の結果として生み出された製品・サービスなどの価値の中で、
企業が活動自体から生み出し、付け加えた価値のこと。※これが一般定義です。
 あえて簡単に言えば、
企業の製品(商品)・サービスの『加工度』と云って良いかと思います。

 さて、中間財商社・中間流通での『加工度』とは何でしょうか??
その「加工」とは・・・製品自体の価値はメーカー(製造部門)が作ります(これは忘れないで下さい)、それを顧客に自らの「加工」を付加する事で中間財商社・中間流通は「単純粗利」を獲得します。その元々の加工機能は、販売機能・在庫機能・金融機能・分散配送機能等でした。
しかし、その加工価値=付加価値が相対的に落ちて行ってるのが、失われた30年です。
事業モデルが旧くなり、環境に対応出来なくなっているのです。

また提供している加工内容がほぼ同じですから、限られた市場パイの中で、競争他社との競争による価格低減圧力が強まり続ける状態です。
中間財商社・中間流通では、これまでの「加工度」で、存在価値がありましたが、
その「加工」の価値が弱まったと理解すべきです。
 つまり利益を上げる・・・稼げる内容を変えていくべきなのです。
・・・まず、その事を、経営者自身が認識すべきかと思います。
​これこそが事業戦略の課題です。

 これからは、自ら新しい「加工」・・・付加価値=「単純粗利」を稼ぐ能力を、考えなければ成りません。それが中間財商社・中間流通の現在から未来への大きな課題です。
出来なければ、更に収益を圧迫する傾向になるかと思います。
  それを行うには
幾つかの組織的能力が必要です。
まずは
情報収集とその分析(洞察)機能。
・・・これからのビジネスは情報戦です。
その情報とは、顧客・市場から得た情報を集め・分析し、
新しい価値=提案=加工へ展開していく能力~その仕組みつくりです。

 それから、事業・・・特に営業活動の
「工程管理」です。
これまでの日本の営業は、あまりにも属人的で、営業個人の能力に依存しすぎてました。
部門管理も、その上長の能力次第です。組織的な営業能力を高めるには、
組織的に営業活動の「工程管理」が必要です。
誤解の無いように申し上げますが、決して営業活動をマニュアル化しよう!と申し上げている訳ではありません。
目指すは、トヨタの様な人間主体の自動化と、営業施策のジャストインタイムです。
その
情報から価値ある加工=提案への転換も可能となる訳です。
 例えば、事業はどうしても、販売するモノ主体(商品・サービス)になります。
ヒット商品が出れば「バンザイ!」でしたが、そのヒット商品つくりも、情報をメーカー(仕入先・製造部門)と様々に協議して、独自のモノつくりに活かす事が出来ます。
情報を収集し分析・加工して、モノに繋げていく機能、また新しい業態を開発する事こそが、
今後の中間財商社・中間流通の役割であり収益の源泉です。
その営業情報管理を組織的にマネージメントしなければ成りません。

営業は情報を扱う仕事です!
それが、営業の「工程管理」です。
また「工程管理」は営業状況の可視化(よく言われてますが・・・)でも、あります。
 それぞれの営業活動がどの段階にあり、どこにボトルネックが出るのか?受注・失注の要素は?営業全体の最適化は?これを把握してこそ、日々の「カイゼン」です。
 これまでの営業活動は、あまりにも営業個人に任せきりで、組織的・構造的な仕組みなっていなかったか?
体系的=仕組み(システム)として機能していなっかたか!・・・です。
ご提案する営業の改革・改善は、そこにあります。
稼ぐ!為に・・・情
報を如何に活かすか!そして営業の「工程管理」です。

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事業の「工程管理」イメージ
​基本サイクル

●グロスとネットの追求

 営業活動の数字的指針は2つしか在りません。グロス(売上)とネット(利益)です。
どちらが大事か?は愚問なのですが、これからは、まずネット。そしてネットを稼げる能力を優先した上で、出来れば併行してグロスを追求する事だと思います。
 稼げる能力の考え方は前項で記載いたしましたので、そのネットを確保しつつ、
グロスを如何に高めるか?これは2つの行動が必要です。
まず既存顧客の潜在ニーズの発掘、それから新規顧客開発です。
この双方に必要なのが、
価値ある「提案力」です。
営業活動で、既存先の定期訪問でも、新規開拓先への初訪問でも、「何か御用はありませんか?」
・・・これでは御用聞き営業です。
何か、顧客に有益な情報を持って行く、それが「提案営業」です。

「提案力」の基本は、顧客の洞察です。顧客を知り、顧客の事を考える。それが基本です。
そこからがスタートです。
その「提案力」の中身とは、どの様なものでしょうか?
それは顧客のソリューション(課題解決)&チャンスメイク(機会創造)に繋がる情報であり、
それが自社の商品・サービスから提供出来る事が、稼ぐ!能力となります。

しかし、突然その能力が出来る訳ではありません。
まずは顧客情報を整理し、顧客目標を持って行動する事、また日々の顧客に対しての行動記録を蓄積していく中で、
分析し、「考える」事で始めて得られる訳です。

 例えば、顧客情報から考え、立てた計画・作戦で、ある営業活動・ある提案が顧客に受け入れられた!・・・と、言う事は顧客満足につながった!と言う事です。
その顧客が、どの様な状況だったか?その提案内容は?アプローチの仕方は?等を記録して、
次の行動・組織的な行動に活かす事。
逆も同じで、なぜ営業・提案がダメだった場合もそれを組織的に考えていく事が必要です。
その行動のサイクルを回す事で、組織的収益力(ネット)が高まり、売上(グロス)が増えていくサイクルも生まれます。
このサイクルこそが、前項で示した
「工程管理」の各工程です。
デフレが続き、市場がシュリンク(縮小)する中では、まずはネットを稼ぐチカラを付け、
グロスへ蓄積する日々の行動を有効なサイクル(工程)で回す!
その事業の中心である
営業活動を仕組み化=体系化=システム化しなければ成りません。
下図は、Category1戦略プログラムの、仕組み=体系図です。
​この体系に添い、各要素をお考え頂く様にガイドをしています。

事業の仕組み

●組織を機能させる!

「組織を機能させる」・・・この言葉はP.F.ドラッカー氏のマネージメントの定義です。

では、「機能させる」とは何でしょうか?

Category1戦略プログラムでは、事業組織の目標=ビジョンから、計画を設定し、それを動かす組織成員の役割と機能を明確にして頂く事をおススメしています。
機能とはある意味=スキルですが、そのスキルが充分に備わった方などは少ないです。
​しかし、個々がどの様な機能=スキルが必要なのか!?の目標が明確になります。
そして、目標ー計画を目指して、日々、如何に行動するか!?=作戦を考え、行動する。この状態が組織全体に行き渡る事が、組織を機能させる!事なのです。
その一番は、それぞれが目標に向かって「考える」事!そして結果を分析し、また「考える」そして次の作戦ー行動に活かす。
このサイクルが回り続ける事なのです。
​貴社では如何でしょうか?

 

組織の役割と機能

マネージャーの仕事は、組織全体がちゃんと目標を目指して行動しているか?行動の結果に対して、
​ちゃんと「考える」を行っているか?体系に添った動きを組織が成されているか?その管理が主体です。そして構築した事業戦略を常に見直していく事も重要です。

事業マネージメントは、この体系で行えば必ず成果に繋がっていきます。
そのポイントは組織全体が「考える」事なのです。
​まずは、自社の事業戦略をお考え頂く事がスタートです!

本リポートを最後までお読み頂き、誠に有難うございました。
何かの、お役に立てば幸いです。

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