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日本のアパレル業界の呪縛!

最終更新: 3月28日

アパレル業界の不思議・・・

●アパレル・・・その業界の呪縛

当方は、そもそもアパレルの企画の職から、色々転身があってマーケティングプロデューサーの肩書で業務を提供していますが・・・
 
モノを売る!と云う事はアパレルからのスタートです。現在でも業界には友人・知り合いが相応に居ます。
 
かつては、それなりに「花」のある業界でしたが、いわゆる失われた30年の中で、相当疲弊した業界では無いか?と、思っています。
 
その事を通じて、事業戦略について考えてみたいと思います。


 
まず、その市場推移ですが、バブルの名残のある1991年をピークにして今は、その半分くらいまで下がっていると云う調査があります。もっと下がってるかも知れません!
 
原因の一つは、やはり単価が下がった!・・・洋服~安いでしょう!かつては殆どが素材も縫製も国内製造でしたが製造の海外移転で、単価は下がりました!世界的なファストファッションの影響も大きいです!日本にはユニクロもあります。
 
二つ目は、消費者にとってファッションの消費優先順位が下がった事でしょう!他にお金を使う所が沢山ある!スマホとか!
 

 
大体、大きな流れ的には、こんな所でしょうか・・・
 

 
しかし多少なりとも現場を知っている当方としては、各アパレル企業自身、業界の仕組みとしての原因が大きくあります。
 
それが・・・
 
1,同質化の供給過剰
 
2,その供給のやり方=シーズンの考え方
 
・・・です。
 

 
90年代以降、アパレルは短サイクル製造~販売と、卸売りから、SPA(製造小売り)に大きくシフトしました。
 
つまり自分達で、早く作って!早く売ろう!です。合理的です。経産省も、この動きを推進しました!そして、この戦略は最初は功を奏しました!街中やショッピングモールにブランドショップが増え、売上・利益も伸びたのですが・・・
 

 
・・・しかし・・・結局、何が起きたか?・・・企画から製造~販売までのサイクルが早まれば、皆が「売れ筋」への企画・デザインに集中し、結果、商品が、同質化していった!。どこのブランドも同じような企画・デザインになる!店頭を観ればお判りになると思います。

これが、1つ目の呪縛です!売ろうとして「売れ筋」追求が過ぎて、売れなくなる!


 
付加価値=企画・デザインが同質化すれば、その付加価値はお互い相殺されます。つまり価値が無くなる訳です。

※これ!Category1戦略の基本的考え方です。
 

付加価値が消されれば、残るのは価格競争!・・・安さ合戦です。
 
これでアパレルのプロパー(定価)販売率は劇的に落ち、収益率が下がりまくった訳です!しかもセールやバーゲンも時期が早くなって来ました。
 
そして価格が下がれば、次は品質も下がる!負の連鎖が続いた!
 

 
もう一つの呪縛は、アパレルはなぜか?毎シーズン毎シーズン、新作を出します!商品構成のすべてを変えます!少なくとも半期に1回~~春夏ー秋冬です。
 
安さ合戦をしている中で、コストを掛け商品を年に2回ごとに入れ替えれば、利益なんか出る訳ありません。
 
・・・「毎シーズン、新作・・・えっ!それって常識じゃない?」・・・と、おっしゃる方!
 
・・・えっ?そんなの誰が決めたの!?

これが、2つ目・・・最大のアパレル業界の呪縛です。

確かに、当方がアパレル業界に居た時には、毎シーズン新しい企画・デザインを考え、製造していました。
 

 
セールをせずに繰り越して販売する商品、いわゆる定番商品があってもいいじゃなんですか?トレンド=流行を追いかける!のも結構ですが、それって顧客も本当に望んでる??今年買った洋服が、来年には「旧い」なんて言われるの!?
 

 
そして毎シーズン売り切れない商品を作り、価格を下げて売る!
 
それでも在庫は残り、捨て値で売る!最近では減りましたが、ブランドイメージを守る!と言う意味で、最後は廃棄処分です。(今はSDGsの観点から許されませんが・・・)
 
そりゃ疲弊します。

何故か?そこを改善しようと思わない!しない!不思議なのです。

なぜか?新しい事業戦略を考えない!創らない!

・・・例えば、今、話題のワークマンプラスは、1デザイン通常3年は販売すると聞きます!今、人気のアウトドア系ブランドのアパレルラインも3年以上はデザインは変えません!
 

 
・・・毎シーズン、全部新作・・・そして同質化!安さ合戦!

これがアパレル業界の呪縛です!

改革方法はいくらでもあるのですが、まず、この呪縛を解くのが先!

・・・これがアパレル業界の現状です。


 
●どこの業界にも、業界の呪縛が在る!

たまたま、アパレルの話をしましたが、どちらの業界にも似たような呪縛があるのものです。昔から当たり前の様に続けているけど、その行為が実は、収益を圧迫する様な事は、必ず在ります。機械関係の部品調達などは、その都度複数社からの見積もりを取る!等がそうです。製造は効率化しても調達業務は、全然不効率な業界です。

・・・・なんででしょうか?解りません!
 

 
同じような悪しき慣習=呪縛は、どこの業界にもある様です。
 
意味ないですね!

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マーケティングプロデューサー
 
原テルキ