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「問題解決」で、本当に「問題」の解決は出来るだろうか?

事業構造

●「問題解決」に邁進した我が国の企業

営業の世界で「ソリューション営業」と言う言葉がある。顧客が抱える何らかの問題に対して、自社のモノ(商品・サービス)で、その問題解決=ソリューションをする提案を行う営業です。


さて、このコラムでは何度も記載をしていますが、日本の失われた●●年(もう何年かも不明!)での『問題』は。付加価値不足。あえて言うと付加価値を創造するチカラが失われたが故である!と言う事です。付加価値とは、やや大雑把に云いますと事業の粗利です!

そして、この間、日本の企業が行った事は粗利では無く、コスト削減=原価削減と費用削減、そして販売価格を抑える事です。とにかくコストダウンに邁進した訳です。

・・・人件費を抑え、仕入れ先・下請けを叩き!あらゆる経費を抑え込んで行ったのです。

その背景も充分理解は出来ます。新興国(特に中国)の台頭で価格競争が激化したのと、IT化=デジタル化による業務効率が上がって来ました。

特に、この環境下での中小企業のコストダウン圧力は中途半端で無いのは、経営者の皆様は充分に体感されているでしょう!


当方が知る限り、先記したソリューション営業の多くは、コストダウンに繋がるモノが多いのが特徴かと思います。業務の効率化、ロス低減、人員の提言等・・・

勿論、それは素晴らしいアイディアであり、技術である事は間違いありません!そして多くの企業が、このソリューション=問題解決を追求して来たのです。


しかしながら!と、残念ながら!・・・この間、問題解決に邁進したけれど、新しい価値を生み出す事業革新は国内で生まれていない、いや国内では製造やら供給がされなかった!それはGDPの変遷を見れば明らかです!問題解決を頑張ったら、大きな『問題』が出来てしまったのです。

問題解決が、『問題』を生み出してしまう!その問題解決に成らない!


これも何度も申し上げていますが、当方は何も事業の問題を解決するな!と申し上げている訳ではありません!効率化も、コストダウンも大事な事ですが、企業が本来やるべきは、顧客価値の増大=利益の増大化=事業革新=イノベーションを一番にお考え頂きたい!という事です。

「問題解決」では、事業は成長せず、経済も停滞してしまう!そのパラドックスに陥る!ここがポイントです。多くの経営者=社長がミスった点です。特に大手企業が・・・


ここが最大の『問題』=日本でイノベーションが生まれない!と言われる昨今の背景です。おそらく日本人は、おそらく目の前の『問題』を解決する能力は非常に高いのでしょうが、新しい価値を創造するチカラが、やや低いのかもしれません。本当の問題はソコ!かも知れません!


●問題解決より、全体事業構造を観る

これには、よく言われる部分最適!&全体最適!を、再度考えなければ成らないと思いいます。前述した問題解決の多くは、部分最適的な行動です。・・・ある業務の効率を上げる!・・・5人で対処していた業務を3人で対応出来るようにする!・・・最近のデジタル系のサービスは、殆どがコレ!です。・・・等の経費削減策ばかりです。

「効率化」・・・聞き飽きた言葉です。


これでは、全体の付加価値は上がりません=全体の生産性は上がらないのです。何度も申し上げていますが、失われた●●年で、日本企業が陥った「穴」なのです。

多くの事業体が部分の「問題解決」に邁進しました。確かに、それで営業利益は高まります!経費削減するからです。昨今の給与の低さ問題も、それで説明がつくのです。


繰り返しますが、全体の付加価値を高める事!全体です!構造で考える事! それこそが事業戦略つくりと、組織改革=仕組み化の課題なのです。・・・事業は構造で成り立っているのです。それを意識頂きたい! @構造主義


●事業構造で考え!事業構造を変えよう!・・・効率から効果へのシフト

まず事業構造で考えるとは、事業全体の要素の理解から始まります。Categpry1戦略では6つの要素を設定しています。

効率から効果

事業の中では、日々様々な「問題」が発生します。販売不振、不良品の発生、顧客からのクレーム、組織の弛み等々・・・。それを、その発生ポイントだけで解決しようとしても、大方上手くは行きません。人間の身体と同じく、事業要素は事業全体に繋がっているからです。 肩が痛い!からと言って、それは肩こりだけとは限りません!内臓の不調が原因の場合もあります。必ず全体から考え、問題を追及しなければ成らないのです。

全体から考えない「問題解決」は決して「問題」の解決には成りません。不断の経営の現場を思い出して頂ければ、ご理解頂けるかと思います。


ましてや一部の業務の効率ばかりを追求しても、決して全体の効果には繋がりません。昨今の拙速なDX化は最たる例です!


この長きに渡った効率主義から、効果主義への転換の時だと思います。

日本の企業は、あまりにも効率を追い求め過ぎました。その事は反省すべき時期かと思います。


効率から効果へ!


マーケティング・プロデューサー

原 テルキ





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