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事業戦略雑感・・・日本のアパレル業界について考えてみる。


当方は、そもそもアパレルの企画から、色々転身があってマーケティングプロデューサーの肩書で業務を提供していますが・・・ モノを売る!と云う事はアパレルからのスタートです。かつては、それなりに「花」のある業界でしたが、いわゆる失われた30年の中で相当疲弊した業界では無いか?と思います。 その事を通じて、事業戦略について考えてみたいと思います。

まず、その市場推移ですが、バブルの名残のある1991年をピークにして今は、その半分くらいまで下がっていると云う調査があります。もっと下がってるかも知れません! 原因の一つは、やはり単価が下がった!・・・洋服~安いでしょう!かつては殆どが素材も縫製も国内製造でしたが製造の海外移転で、単価は下がりました!世界的なファストファッションの影響も大きいです!日本にはユニクロもあります。 二つ目は、消費者にとってファッションの優先順位が下がった事でしょう!他にお金を使う所が沢山ある! 大体、大きな流れ的には、こんな所でしょうか・・・ しかし多少なりとも現場を知っている当方としては、各アパレル企業自身、業界の仕組みとしての原因が大きくあります。 それが・・・ 1,同質化の供給過剰 2,その供給のやり方=シーズンの考え方 ・・・です。 90年代以降、アパレルは短サイクル製造~販売と、SPA(製造小売り)に大きくシフトしました。 つまり早く作って!早く売ろう!です。合理的です。この戦略は最初は功を奏しました! しかし・・・結局、何が起きたか?・・・売れ筋への企画・デザインの同質化です。どこのブランドも同じような企画・デザインになる!店頭を観ればお判りになると思います。 付加価値=企画・デザインが同質化すれば、その付加価値はお互い相殺されます。つまり価値が無くなる訳です。

※これ!Category1戦略の基本的考え方です。 付加価値が消されれば、残るのは価格競争!・・・安さ合戦です。 これでアパレルのプロパー(定価)販売率は劇的に落ち、収益率が下がりまくった訳です!

しかもセールやバーゲンも時期が早くなって来ました。 そして価格が下がれば品質も下がる!負の連鎖が続いた! もう一つは、アパレルはなぜか?毎シーズン毎シーズン、新作を出します!商品構成のすべてを変えます!少なくとも半期に1回~~春夏ー秋冬です。 安さ合戦をしている中で、コストを掛け商品を年に2回ごとに入れ替えれば、利益なんか出る訳ありません。 ・・・「毎シーズン、新作・・・えっ!それって常識じゃない?」・・・と、おっしゃる方! ・・・そんなの誰が決めたの!? セールをせずに繰り越して販売する商品があってもいいじゃなんですか? 流行を追いかける!のも結構ですが、それって顧客も本当に望んでる?? 毎シーズン売り切れない程の商品を作り、価格を下げて売る! それでも在庫は残り、捨て値で売る! そりゃ疲弊します。

そこを改善しようと思わない!

なぜか?新しい略を作らない!


例えば、今、話題のワークマンプラスは、1デザイン、通常3年は販売すると聞きます! ・・・毎シーズン、新作・・・そして同質化!安さ合戦!

これがアパレル業界の呪縛です!


改革方法はいくらでもあるのですが、まず、この呪縛を解くのが先!

・・・これがアパレル業界です。

マーケティングプロデューサー 原テルキ


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